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DJ Kotsu × DJ Romy Matsによる対談 フロアでは語ることのないエトセトラ M世代DJの思いとは?編

「ミレニアル世代」そのように呼ばれ、カテゴライズされることに対して必要以上に自らをそう名乗ることもなければ嫌がることもない。上の世代からは生意気で冷めていると見られがちだがそうではない。冷静でいて寛容的、そして自分本意。多様な生き方を選択できる時代に生まれ育ってきた彼らは、自分の欲求に素直に生きたいと、その方法を柔軟に考え、自分だけのレールを歩んでいく。彼ら二人の話を聞けば、その思いは単なるエゴではないことがわかるはず。「M世代」にあたる二人のDJの思いとは...

ー 2月の韓国ツアーで、日本のシーンとの違いや何か感じることはありましたか?

R  どうなんだろうね、韓国のシーンを知れるほど長く行ったわけじゃないから何とも言えないんだけど、先輩のDJとかと話していて総じて思うのは、日本のクラブシーンはアジアの中で見るとずっと先を進んできたんだよね。おそらくアジアでは先駆者だった。これまで日本を軸にアジアツアーが組まれたりしていたはずで、って言っても、今みたいに目に見えて「アジアツアー」がちゃんと組まれるなんていうのも、ここ数年間の話で、日本に来て東京と大阪で公演をやって、また欧米に戻るっていうのが割と定番だったと思うんだよね。ただ昨今のアジアのクラブの成り立ちは、日本以外だと欧米からの移民が経営をしたり、イベントを作っている部分が多い。そういう意味では欧米人たちが移り住むようになってからできたもの...例えばアジアに勉強しにきたり仕事があったり、その土地に欧米人の生活の基盤ができてから、クラブ文化も成長していったんだと思う。でも日本は日本人が自ら欧米から輸入して、クラブが未文化だった時からクラブ文化に関わる何かしらを持ち帰って先にやってみたりとかっていうことで、アジア他国より歴史が少し長いっていうことなんだよね。

CYK TOKYOクルーとRomy Matsが今年2/10〜12まで韓国のDJからのオファーにて出演したパーティ、ラジオSCRのフライヤー

でも、僕らが行った韓国のソウルとか、上海とか台湾、中国の内陸都市も、フィリピンとかインドネシアとかのクラブも発展途上だって話は聞くけど、今は未来の成熟に向けてかなりグイグイきてるし、イベントの作り方とか挑戦的で面白い。お客さんも熱があって、移住者の白人と黒人だけじゃなく、ローカルの若い子もおしゃれして遊びに行ってるってかんじかな。ただ日本と圧倒的に違うのは、大陸側のアジアはアメリカナイズもしくはヨーロッパナイズされているんじゃないかというところ。要は、もっと自由選択であることに対して積極的な印象というかさ。日本は、まだ独自の社会構造があって辟易するけどさ、韓国や中国とかは日本とはまた違う独特な社会構造がある割に、若い世代が出て行こうとする先はどちらかというと、新たに輸入された社会構造の中だと。もちろん真似事に見えるものもあるけど、色んな圧とか体制に抵抗していくことも考え方も僕らより挑戦的だなと思うし、自由にやれるところまでやっちゃう気合いとかも、印象としてはアメリカとかヨーロッパで感じたものと似てきていると思うかな。やっぱり移民を受け入れると同時に外側の社会構造とかも受け入れているっていうかさ、欧米資本の会社がアジアに進出するのと同時に起こっていったんだと思うけど...そういうことが自然と起こって定着もしている社会背景で生まれ育ったのが、こっちで言う平成世代くらいの人たちなんだろうけど、日本人よりも普通に英語喋れるし、バイリンガル以上な人とかも全然いるし。そういう小さい要因も合わせて、クラブに行くことも生活の中に馴染んでいるし、これからもっと馴染むだろうしね。あとタトゥーとかひとつとってみてもそうだと思う。

Photo by SCR Instagram @scr_radio

ー なるほど、確かに日本よりかはタトゥーにしても、そういったものに対しての受け入れの幅は広いのかもしれないですね。 R  そういうのが自然になっている若い世代、俺らと同じくらいの世代が目に見えて出てきているんだと思った。俺もタトゥーに抵抗無いっちゃないし、むしろ良いって思うんだけど。 ー でも日本はまだこういったクラブシーンやカルチャーシーンに色濃く関わる人を除くと、まだまだ理解はされていないんじゃないかなとも思います。 R  そうだねー。感覚として否定的な人は20代でも多いと思う。大人がダメって言うから、みたいな。でも韓国で会った同世代の人は、日本で会う同世代の人たちよりも、全然普通にタトゥー入ってるし、ファッション的に見えるけど、若気の至り記念でもある、っていうか自分で入れてたりするしね。僕らの周りはそういうのないからさ。 ー 二人はタトゥー入れてないの? R  入れてない。願望はあるんだけどね。 K  入れてない。 R  結局痛いのに耐えられる気がしないんだよね(笑) K  どんなに世界が変わっても、痛いから無理(笑) R  なんかその点、日本人って独特な感性と価値観を持っているし、どう考えてもこの独特な文化構造とか社会構造から影響をされているというか。そういうところからしか形成されていかないしさ。だから、日本のクラブシーンが難しくなってきているのは、そういうところだと思う。その他のアジアの国より独立している部分が保たれているから。 ー それは良い面でもあり、悪い点でもあると? R  もちろん。でもクラブシーンに関しては悪い面の方が大きいかも。 K  まあね〜。 ー それはRomyくんとしてはどういう見解ですか? R  独特過ぎる。 ー 分かり易く言うとどんなかんじ? K  選択肢が多いんじゃない? R  そう。まず、夜中に遊ぶっていうことに関しての選択肢が多いっていうのもある。カラオケとか居酒屋とかコンビニの前とか、こんなに24時間営業の店がたくさんあるのは日本の東京くらいだよ、きっと。あとはインターネットしたりとかアニメ、映画、ドラマを見たりとか、逆にそういった選択肢があり過ぎて選ばなくなっているっていう子もいる。みんなと合うもの、話題作だけをチェックするみたいなさ。両極ある、っていうのはあるかな。その中で「クラブ」っていう選択肢が眼中に入っている子がまぁ圧倒的に少ないっていうか。そういう状況だと思う。 ー kotsuくんも同意見? K  うん。 R  続けて言うと、僕とkotsuの思っていることは近いと思うんだけど、今、20代前半から半ばのDJが点々としながらもたくさんいるのって結構珍しいと思ってて、そういう状況は今30~40代の人たちが20代の頃もそうだったのかもしれないけど、なんか感覚的に思うのは、簡単に辞めそうな子があんまりいないっていう感じかな。誰がどこでどんな理由でドロップアウトするかは分からないけど、東京にいると婚期は遅くなるし、仕事をしながらやってる人もいるし、この先みんながどういう形で続けていくのかも分からない。でも簡単には引かなさそうな人たちが多いのは僕は良いことだなと思ってるし、むしろチャンスだなって思ってて。クラブカルチャーも日本はずっと上の世代、それこそまだ50代の人とかが引っ張っているけど、正直いうと代替わりしないといけないと...多分それは当人たちも思っていると思うのだけど、僕らがその気合いを今まで作り上げられなかったのも事実で。そういう状況がずっと続いていて、なかなか新陳代謝していかなかった。世代が代わって行かないまま、その人たちがクラブを動かしているっていう状況が続いている中で、30代~40代前半の人たちがやっと世界的なフェスを開いたり、ヨーロッパに出て行ったり、やっと循環の巡りが海外の水準に向けて加速してきているかんじがあるんだけど、それでもまだ正直遅れをとっているんじゃないかというかさ。海外だともっと若いうちからクラブを運営して、フェスをやって、レーベルをやって、ツアーをやっている人たちもいるし、日本が先を行っていたのならば本当はもっと水準の高いものがあったのかもなって思うんだけど…。

ー それが上手く回っていっていないと。 R  そう、回らない状況が続いたまま今になって、その中で俺らも出てきているわけだからね。 ー その代替わりが上手く回っていかなかった要因としては、世代間の関係で見てみるとどんなことが言えると思いますか? R  下の世代が出てこなかったということが大きいと思う。だから今、何が何でも続けていきそうな子たちがいっぱいいて、これから結婚したり家族ができて辞めたりするかもしれないけど、別にそういう必要も無くなっていくんだろうなっていう気が漠然としていて。僕は結婚しても子どもが生まれても経済状況がドン底まで厳しくならない限りは続けると思うし。 K  えぇぇ!! ー kotsuくんは違うの?(笑) K  いや!俺もそう、俺もそう。

(上、中) 昨年12月 CIRCUS TOKYOにて開催された「CYK TOKYO 1st Anniversary vol.2」にてCYKクルー、ゲストDJ Mall Grabとともに盛り上がるフロア Photo by @marisatakesshittyphotos (下) 3月 新木場STUDIO COASTにて90年代生まれのアーティストを中心に開催された「RIPPLES」どちらのパーティもミレニアル世代を中心に構成されたパーティだ。

R  でしょ。そういう子たちが結構いると思うんだ。だから結構チャンスっていうか...僕らがどんどん盛り上げていって、大先輩方にも安心して代替わりさせてもらっていくっていう流れに持っていけるのがこの先数年間のチャンスかなって思う。それはKotsu然り、CYKのメンバー然り、みんな感じていると思うし。その中でさらにラッキーな状況になっているのは、僕らとかはさっき言った30代~40代前半のとかの人たちから目をかけて頂いていて「一緒に何かを面白いことをやろう」と言ってもらえたりしてる。何か搾取されているわけでは全くなくて、本当の本当に面白いことをやろうっていう気持ちで話をして下さる人たちが多い。それは単純に世代が変わっていくのではなくて、協力して、さらに強いものを作っていこうみたいなところはあるかな。そういう意味でも変わっていくっていう意味でも、協力して新しいものを作っていくっていう意味でも、僕らはチャンスに直面しているかなって思う。 ー HigherFrequencyの記事でも、SEKITOVAくん、Ashikagaくん、平井くん、Romyくんの対談でも、4人が今のRomyくんと同じようなことを話していますが(詳細こちら) 20代前半でもその場を楽しむだけではなくて、当事者意識を持ってそのシーンを盛り上げていくという熱を持っている人がいるというのはそのシーンの強さに繋がることですよね。 R  (その意識を持っている人は)少ないとは思うけど、いると思う。 K  あとは結構、僕らの世代は超真面目で、でもそういう世代感も恣意的にそうなっている気がするから、そうなるべくして真面目になってきたみたいな気がしていて。だからといって不真面目を馬鹿にしているわけではなくて。真面目にやりながらも、面白くやるというところに面白さを感じているというか...。 R  真面目、っていうかね~冷静なんだと思う。 K  そう、冷静なんだよね。 R  情報を山ほど掴めるしさ、僕らの世代って。小学生の時もパソコンの授業あったし、そういうことをするのが普通で、しかも僕らは生まれた時から経済状況下降線なわけで。多分生きている間に一回もバブルなんて来ないと思うし。 K  うぅぅっっ(泣) R  やっぱり生きていると、上(の世代)がこんだけキツい状況なんだっていうのを、理解が及ぶ以前から肌感で分かっていて、経済がどうとか政治がどうとか、今も決して分析的には分かってるとは言えないけど、肌感で嫌なかんじなのは分かっているし、そういうところでどうしても冷静になっちゃうし。 K  冷静になりながらも、その時々で一番面白い方法というか、一番面白い時間をどう過ごしていくかっていうのを考える思考ができるから、なんかやっぱり面白い時間を過ごしたいからこそ準備はしたいと思うし、そのあとどうやって、この面白かった時間を継続していくかっていうことも考えるし...なんか自然にそういう思考ができてるなぁって思う。あとは、さっきRomyが言ってたけど、単純に、全体的にはネガティブかもしれないけど、やってる当人はネガティブだからこそポジティブになれば勝つじゃん!みたいな。誰もやらなかったら僕やるわ!学級委員長やります!みたいなノリで、やっちゃえばやっちゃったもん勝ちだし。で、尚且つ本当に有難いことに上(の世代)からサポートをしてもらったりとかもしていて、あれやったらこれやりたいねっていうことも不可能じゃなくなってきてる。フェスやりたいねっていうのも実現性を帯びてきたというか。実際にレイヴも自分たちでやったし...そういった部分にすごく面白みを感じる。

昨年10月に山梨大渡キャンプ場にて開催された「GORILLA FIRE」CYK TOKYO、akashic、REMEDYクルーなど同世代のDJたちが、レイヴを体験したことのない20代前半の若者へ向けて2日間通して行われた。その名にちなんでバナナがテイクフリーで振る舞われた。

R  そういうのは、やっぱり海外の例があるのが励みになる。僕らがさっきチャンスって話もしたけど、それでも正直言うと、これだけゲストを海外から呼んで、パーティーやったりとかしてると、いかに僕らが遅れているのかっていうのとかすごい分かって...さっきの話に戻るんだけど、僕とかKotsuくらいの歳の人たちが普通にヨーロッパとかアメリカのツアーやってるし、曲もバンバン出してそれがヒットしてとか全然あるからね。そういうことに今気付けているのはラッキーだと思うし、そこで僕らがどう踏ん張るかとか、進化していくかとかはあると思うんだけど、まだ追いつけると思う。そういった中で海外の成功例を見て、じゃあ僕らがどうやって実現できるのかっていうことは、この先考えなきゃいけないことで、僕らから新しく始められることも山ほどあると思う。ていうか、始めなきゃいけないっていう当事者意識を持っているのが、この二人の周りかなと。REMEDYもそうだしCYKもそうだし、他のパーティークルーも含めて。あとは、そこに更に下の世代の子たちがどこまでついてこれるか...っていうか、ついて来させるかっていうところはかなり重要。 ー 下の世代の子たちとの交流はあるんですか? R  Kotsuはすごいあるよね。まぁKotsuも僕からしたら最初は年下っちゃ年下なんだけど(笑) K  (笑) 年下の子たちのパーティはいっぱいあるけど、単発のパーティがすごく多い。JUKEに関してはやっと続けてやるパーティになってくれたかな。 R  こんな近い距離で繋がってなかったよね? 僕が行ってなかっただけかもしれないけど。でも、こんなに若い子たちが同じ週末にパーティーやったり、集まったりする状況とかなかったと思う。ここ何年か。僕が20歳で遊びに行ってたのって、若くても30代前後の人たちが集まってるようなパーティだし。 K  僕はここ4年間、自分と同じ世代の若い子のパーティに行くことが多かったから、今も年下の子のパーティに行くけど、どちらかというと単発のパーティが多くて、「このパーティ行ったら、次あのパーティ行こう!」みたいな繋がりがなかったかな、と。なんか、パーティが1日だけで完結してしまう、みたいなのが多い気がする。僕らのCYKもそうだしUNTITLEDもそうだけど、一ヶ月に一回とか短いスパンで僕らがやっているパーティには「あいつらのパーティ行けばこういう音が聴けるよね!」みたいな、良い意味でブランドというか箔がついて、初めて来た人にもこういうパーティなんだ、次もここに来ればこういう雰囲気で楽しめるんだっていうのがある程度分かってもらえるというか...その連続性みたいのが僕らも発信できているからこそ、週末パーティに来る意味あるよねっていうのが多くなっているのかなって思う。

2月 韓国ツアー2日目、PISTILにて Photo by @euca_ri

ー コンスタントに継続することで、より意味のある、価値のあるパーティになっていくのかもしれないですね。

K  やっぱり、そういう点と点が線になって今に至るし、僕とRomyが韓国にDJしに行けたという事実が、こういうシーンでやっていれば海外にも行けるし、有名な外国人のDJも呼べるし、っていうある種のロールモデル・道筋を作れたっていうか、下の世代の子たちがDJをしていく上で「あんな風になれるかもしれない」みたいな一種の期待みたいなものを作れたのは大きかったな、やって良かったなと思う。僕がすごい...なんて言うんだろうな...趣味でDJやるのもひとつのカタチだから良いんだけど、本気で頑張りたいと思っている子たちが、一回きりの「点」で終わっちゃって、大学卒業して、DJ辞めるっていうのが悔しくて。あんなに良い音楽を知っているのに「点」で終わって惰性でDJやっちゃってるなっていう人も見てきたから、それが悔しくて...。 R  そこまでDJが職業として成立していないっていうのがあるよね。 ー DJが職業として成り立つ世界はこれから成り立っていく可能性はあると思いますか? R  成り立っていくんじゃないかなって思うんだけどね。それはなんかさ…画家とか芸術家とか音楽家になるとかっていうと、日本ってあんまり歓迎されないでしょ。いの一番に「そんなんで生活できるの?」って言われる。DJもそういうのと一緒で…でもDJに限らず、才能や気合いで文化に関わる仕事って素晴らしいことだと思うんだ。自分にしか出来ないことを職業にすることは本来素晴らしいことだし、海外だったらもっと賞賛されることだと思うんだけど、日本って生活ができないとか、基本はフリーターだとかネガティブな話が先行しちゃうと思う。DJそのものは厳密には音楽家じゃないからさ、尚更そういうところで懐疑的な目で見られているところはかなりあると思うんだよね。海外ではもっと夢のある職業だからDJは…頑張ったら頑張った分だけ報われてると思うよ。それを感じてくれる人が多いしね。だから日本でトップになるよりも、海外でトップからそれなりになった方が良くて、年々、海外でツアーをする日本人のDJが増えているんだけど、今や世界でも信頼されているDJ NOBUさんやGONNOさんを始め、そういう信頼される人たちが増えているから、いつかは先駆者たちのレールに僕らの世代が乗っていくことはできると思うし、やるからにはそこに向けて努力しているって人も多いだろうし、僕らではなくてもその先に何かを起こせる子たちは、下の世代からも出てくると思うし。そういう風になんか、夢のある職業になったらいいなとは思う、可能性はある。今。 ー やっぱり自分たちもなれたらいいなと思いますか? R  続けるからには、なれたらいいなと思う。 ー kotsuくんも? K  僕は、なんだろう...あんまり最近は10年後こうなりたいとか思わないし、考えたりしないんだけど、もちろん今の自分がいるクラブカルチャーに携わっていきたい、自然に。多分、DJをやり続けるんだったら、ひとつひとつのDJに対して本気で取り組むことは絶対変えたくないし、それが結果的にプロとして食っていけるんだったら良いことだし。単純にやりたいことやって生きていけるのであれば、それはベストかなと思う。最終的にそれがDJなのかオーガナイザーなのかライターなのか分からないけど、DJオンリーっていうのはあんまりないかなって思う。だから例えば今、グラフィック作ったり、ZINEを作ったりしているのはそういうことで...ただ、DJオンリーで本気でやっている人って時間的に補えない部分が出てくると思っているから、そういう時にどう決断するのかなとは思うけど、それは多様的であっていいと思うから、ね。

Video by Kotsu

R  まぁ~それは成り行きっていうものもあるよね。 K  その時々だね。 R  でも幸いにも韓国にも行けたりもしているわけだし。 ー 実際に韓国に行ってみて、手応えや何か掴んだものはありましたか? R  これからもっと(海外に出て)やっていきたいなと思ったし、挑戦できるうちにやらなきゃいけないなと思った。それは単純に日本とは全く違うフィードバックがもらえるからだね。1年前に韓国のDJに注目していたか、今と同じような目で見ていたかと言われると、全くそんなことなくて、注目してなかったに等しくて申し訳ないくらい。そこから、向こうからコンタクトを取ってもらって繋がって、向こうに行ってDJまでさせてもらえるっていう展開にまでなったからね。 ー 韓国のDJたちは何でCYKやRomyくんたちを知ってくれていたんですか? R  CYKが去年11月に東京に呼んだNachtbrakerを韓国に呼んでたC’est QuiっていうDJユニットが「今度はBeesmunt Soundsystemを呼ぶんだけど、東京でもやりませんか」っていう話になって、そこから、じゃあ日本でやってるDJの人たちも韓国でも一緒にやろうよって話になって、ていう感じだったんだよね?確か。 K  単純に日本と韓国でやることでフライト代を分散してシェアできるからね。

2月 韓国ツアーにて。C’est Quiの二人と Instagram @cestqui_kr

R  元の質問から話が変わるけど、アジアツアーを組むための協力をもっとやっていかなきゃいけないし、やっていくべきだと思う。最近はローカルって重要な視点になっているけど、そのローカルっていうものを、僕らは「アジア全土」っていう視点で見なきゃいけないなっていうのは、この間韓国に行ってより思ったことかな。向こうも日本を見習ってやっているところも多少なりあると思うんだけど、今は見習うことも多いし、そういうところで繋がっている人たちは歳も近いわけだし、お互いに協力してヨーロッパのアーティストのツアー組んだりとか、韓国や中国に僕らが行ったり、逆に呼んだりすることをやっていく必要があるなっていうのはすごく感じた。手応えっていうのは、DJをやっててどうこうってよりかは、その後に話をしたりとかする中で、手応えを感じている部分が大きかもしれない。DJやっててどうだった?僕はあんまり日本でやっている時と変わらないというか...。 K  3回向こうでDJしたけど、そのうち1回目はラジオで、2回目は「Contra」っていう大きいクラブで、3回目がDJバーで、その3回目のDJバーは僕らっぽいDJをして、身内で楽しむ感があったからそこは置いといて。2回目のコントラは3時~5時まで2時間やって、いろんな反省もあったけど、韓国は良い意味でも悪い意味でも若い子しか遊びに来てなくて...もちろんその日に限っての話になるけど。日本と違って「若い子しか」いなかった。まず日本の話をすると、年代がミックスされているから、年上の人たちが爆踊りしてるの見て僕らも踊る、みたいな。つまりは上の世代は、オープンは緩やかで朝方5時になったらクールダウンしていくみたいな時間帯のセオリーみたいのが分かって踊っているというか。やっぱりそれを見て僕らも育っているから、僕もそういうのを分かって遊んでいる感じで、悪く言うわけではないけど、韓国はそこがあんまり染まっていなくて。だからこそフロアに集中力がないっていうのが個人的に印象に残ったかな。

2月 韓国ツアー初日のContraにて。 Photo by @euca_ri

R  そういったところでもまだ発展途上なんだと思う。 K  あとは下の階に「Cakeshop」っていうクラブがあって、エントランス払えばContraにも行き来できて、Cakeshopはベース系のパーティをしていて、ベース系ってハウスとかテクノと淡々とグルーヴを繋いでいくっていう音楽よりも、一曲一曲のインパクトがデカイから、そこでガンって踊って、僕らのところ(上階のContra)に戻ってくるみたいな。そういった逃げ場がある中でDJするのが難しかったし、やりきれなかった。掴みきれなかったなぁっていうのが、それはそれで新鮮だったし勉強になったかなと思う。

ソファ席の静かなる熱気...まだまだ終わりそうにない対談も次が最終編!Kotsuくんの言う時間帯のセオリーに習えば最終編は朝方5時、クールダウンのはず...さて、真相はいかに。

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