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偏愛カウンター席 中村 響と音楽

今宵もカウンター席にひとり...お客さまがご来店です。このカウンター席に座る方って何かしらの偏愛をお持ちの方が多いんですよ...そうしていつからか「偏愛カウンター席」と呼ばれるようになってですね...店主の囁きナレーター風な前置きはここらへんで。さてさて、今宵のお客さまは中村 響さんです。レコード店スタッフとして働きつつ、都内各所でDJもこなす彼女の溢れる音楽愛は界隈のひとたちに既に周知の上でもありますが、今回は自身と音楽との関係や思いの丈をお話し頂きました。

ー こんばんはー!

HIBIKI(以下H) こんばんはー!

ー 偏愛カウンター席へようこそ〜。ということで、響ちゃんにとっての偏愛はやっぱり「音楽」ということになるんですかね。

H ですね!に尽きる!その音楽の中でも今はDJやってるからクラブミュージックの方が近い部分はあるけど、元々はバンドが好きで中学生の頃は邦楽ロックを聴いてたかな。

ー 例えばどんなバンド?

H ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とか。あとSUPERCARとかNUMBERGIRLとか聴いてた。そこから東京のインディバンドを好きになって、今でも付き合いのある大先輩のバンドが好きになったりっていう。私、地元が田舎なんだけど...

赤毛のケリー / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

ー 地元どこだっけ?

H 岐阜!東京に行けず、名古屋には毎週夜遊びしに行ったりしていて、そういうシーンでずっと遊んできたんだけど、なんかこうポストパンクとかニューウェーブってわりかしクラブミュージックに近いところがあるから、クラブミュージックに入るのもすんなりだったんだよね。こっちも聴きつつ、そっちも聴くみたいな。

ー DJを始めたのはいつから?

H 本格的にやり始めたのはまだ1年前くらいだよ。学生の頃もちょこちょこはやってたけど、その頃はまだファッションの道進みたかったし、音楽は自分の趣味程度って思ってた。それからファッションの仕事もしてみて、やっぱり音楽が好きだってなって今に至ってる。

ー それで今は渋谷のdisk unionにいると。

H そう。

ー 音楽の中でもこれぞっていう抗えないような...好きな曲であったり音であったりっていうものあったりしますか?

H これぞ...クラブミュージックの中でも、これぞっていうものはあるんだけど、根本的にはポストパンクとニューウェーブがなかったら、私はクラブミュージックを聴かなかった人なんだと思う。

ー そのポストパンク、 ニューウェーブ に惹かれたのは何故ですか?

H 音もそうだし、歌詞もそうだし...うーーん、なんだろう。あとはルックスも小洒落てるんだよね。80年代から90年代初頭とか、それ以降の今の10年代のポストパンク、ニューウェーブのバンドとかも、まだみんな尖ってて、すごいオシャレなんだよね。やってることもオシャレだし。

ー 響ちゃんの言う、その「オシャレ」っていうのはただの見て呉れのオシャレじゃなくてスタイルがあるということですね。

H そそそ。元々そういう音楽が好きな人たちだから、みんな芯があるんだよね。あとは根本がみんな暗い。なんかやっぱりそういう根っこの部分が暗い音楽に惹かれていて、とにかく暗い音楽ばっかり聴いて生きてきたから、それを自分と重ね合わせて...とかっていうのもあったね。

ー 響ちゃん暗いイメージないけど!

H いや〜私、根暗だよ(笑)普通に酔っ払ってない時とか、まじで暗いねって言われる。

ー (笑)

H 人見知りとかはしないんだけど、基本的にひねくれてるから...なんかね〜

ー 自分の内面と音楽と、何か近いものを感じているんだね。

H そうだね。

ー その他にポストパンク、ニューウェーブに惹かれる理由はありますか?

H んぁ〜〜...なんだろ。暴力性?

ー でもあからさまに表面上に暴力性が出ているものばっかりでもないよね。

H (ばっかり)じゃないね。なんかなんだろ。やっぱし生きてると何かしら悩みとか出てくるわけじゃない?それを上手く発散できずに、音楽でしか発散できなかった人がやってたのがこういう音楽なんだろうなって自分としては解釈しているんだけど...っていうのも私も同じタイプで、すごい不満持ってるし悩むし、結構バッド入る。私は楽器が弾けなかったから、それでリスナーとして重ねてたりとかもする。

ー バンドはやらなかったの?

H やりたかったし今でもやりたいけど、これから一から始めるのは結構エネルギーを必要とするものだから、それよりかはDJやろうと思ったんだよね。(ポストパンク、ニューウェーブと)同じようにクラブミュージックも聴いてきて、高校生の時に、REMEDY(KOARAにて偶数月第4日曜開催のパーティ)やってるKAZUHOくんとか、今は「Too Young Too Love」っていうイベントで一緒にやらせてもらってるホンタク(Takuya Honda)とかと知り合って、リアルタイムでその時代時代で流行ってたクラブミュージックを聴いてきて...で、自分の好きなものは表現したい!ってなった時に一番手取り早かったのがDJだったんだよね。

ー 響ちゃんのDJは、自分自身ではどういうスタイルだと思いますか?

H 結構気分によって変えたり、出るイベントによっても変えちゃうんだけど、基本的に自分が本当に良いなと思ったものしか掛けない。バイブス的に合うのはこっちゃん(Kotsu)とかRomyくんとかかな。私はハウスも好きだけどハウスよりテクノが好きなんだよね。入りがこう〜暗かったり、暴力的なものが好きだから。なんだろう...そうだね、ハウスも好きなんだけど、私はテクノの方が強いかなってかんじ。

4/14 下北沢 Basement barで行われた「iconostasis」にて

ー クラブミュージックの中で、具体的に思い入れのある曲はありますか?

H クラブミュージックにどっぷり浸かるきっかけになったのは、今最前線を走っているんだけど、「L.I.E.S Records」っていうレーベルとか「The Trilogy Tapes」とか...でも、どちらかというと、ニューヨークのアンダーグラウンドシーンが結構きっかけでもあるかな。バンドはヨーロッパの方が好きなんだけどね。ヨーロッパの主要のクラブミュージックがディープハウス、ハウスが多くて、私としては全然おもんないんだよね。でもニューヨークのアンダーグラウンドシーンはなんか野性的というか、そのL.I.E.S RecordsとかThe Trilogy Tapesとかも、根本的に ノイズ だったり ハードコア というか、ポストパンク、ニューウェーブっていうのを一通り聴いている人が多くいるから、きっと聴いてて親近感があったんだよね...ってかんじかな。

ー 夜な夜なDJして、職場もdisc unionで、音楽に浸る生活だと思うけど、それは響ちゃんの感覚としては、音楽っていうのは何にも変えがたいもの?

H なんか〜根本的に私早く死ぬと思ってるから…

ー えー!

H 人生生き急いでて、好きなことしかしたくないんだよね。なんかファッションの学校上がりだけど、服は正直流行り廃りもあるし、一生着る服なんてないに等しいじゃない?その点音楽は私にとって、なくてはならないものだったのね。イヤホン忘れると家帰るか、新しく買うかするし、基本的に外出る時にイヤホンつけてないと不安で歩けないタイプだし。ほんとに生活に染みつき過ぎていて、どんだけ音楽にどっぷり浸かっていても嫌じゃないし、それが普通だと思っちゃうから、できることならそれで食っていきたいなていう理想はある、今はね。

ー じゃあ逆に一日の中で音楽に触れてない時間ってあるの?

H ない!

ー 家でも音楽聴くの?

H そうだね、テレビつけないで音楽聴いてたりとか。

ー ということは、朝起きてまず音楽掛ける〜、次に…

H いや!朝起きてまずスッキリ見る〜...

ー そこはスッキリなんだ(笑)

H そう(笑)朝起きてスッキリ見る〜、家出た瞬間から出勤時に音楽聴く〜、仕事中も音楽聴くし、あとは基本夜遊びしない日は直帰するのね。家帰ってアニメ見るか、音楽聴くか、漫画読むか...だから、基本的に音楽はずっと聴いてる。

ー 夜遊びしない日あるの?

H あるあるあるある!お酒もあんまり強い方じゃないから何も予定なかったら基本飲みたくないし。飲み会とか行かないし。

ー じゃあ音聴きながら飲んでるのね、いつも。

H そう。まぁ友だちもいるしね。

ー そういう場だからお酒がすすむってことですね。

H  そうだね〜。

ー 音楽をあまり聴かなかったり、音が鳴っている場に行かない人たちも世の中にはたくさんいると思うのだけど、響ちゃんからの目線で何か言えることはありますか?

H  もし音楽が好きだけど、遊びに行くのが怖いとか、あんまり夜遊びしたことない人に向けてなら言えることはあるかな...やっぱりクラブとかって偏見とかあるけど、まずこんな良い音で音楽を聴ける場所っていうのはクラブしかないわけで。ただ、そういう夜遊びしたことない人は、その楽しみ方がわかんないんだと思うんだよね。なんか最初は大人数で行くとか、大きいパーテイやってるところとかでも良いと思う。とにかく時間とか、仕事とか、自分の背景にあるものを全て忘れられるのがクラブだと思ってるのね。歳とかも関係ないし性別とかも関係ないし、ただその場を楽しみに来ただけの人が集まるだけの場所だから。なんか変に壁とか作らずに、心から楽しむ、お酒飲んで酔っ払うでも良し、いろんな人と仲良くなるでも良し、一番自由な場所だと思う。なんか、まずは一歩踏み出して欲しいなって思う。私は最初とか一人で行ってたんだよね。超怖かったけど(笑)まぁ知らない人でもフラットだから、ね。もしかしたらすごいDJ、すごいアーティストかもしれないけど、そこでもフラットで話せるし...なんだろうな…概念を捨てて、自由になって欲しい。

ー 明日はなにするの?

H  明日は、仕事です!皆さんレコード買いにきてくださ〜い!

ー 渋谷のdiskunionクラブミュージックショップ、皆さん行きましょう!響ちゃん、本日はありがとうございました。

H  ありがとうございました!

本日のSnack archは「DJ BAR KOARA」にて。そして、響ちゃんはこのKOARAで「BLUE」という自身がオーガナイズするパーティを毎月第一水曜に開催しております!5月開催のBLUE詳細は下記のとおり!ゴールデンウィークだし一日くらい夜遊びしちゃいましょう!要チェックです! 

5/2(Wed) 22:00-5:00 entrance 1000y+1d at Shibuya KOARA

cemetery / dj soybeans / forever the world / romy mats /

st.croix / shann / zooey loomer 1979

< profile> 中村 響(zooey loomer 1979)/ 1994年生まれ / 岐阜県出身 / 文化服装学院卒業 / 

diskunion 渋谷クラブミュージックショップ店員として働きつつ、渋谷や下北沢などを中心にDJ活動を行ない、毎月第一水曜にDJ BAR KOARAにて「BLUE」をオーガナイザーとして開催している。好きなものは音楽と友達、そしてカレー。Instagram @zooeyloomer

次回もお楽しみに!おやすみなさーい!

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